だんぼるーの梱包材ブログ
2019年4月3日

とあるマダムの話

「その栞、綺麗ね。」と、声を掛けてくれたのは、目の前の散歩途中のようなお婆さんでした。少し、自宅から離れた、オープンテラスのあるカフェで日課の読書をしていると、散歩中のお婆さんが、子犬とやってきました。公園が目の前にあるカフェなので、とてものどかな空気が流れ、知らない人と会話をする事も自然とできました。テーブルにある栞は、私の自家製です。コレクションの包装紙の端切れを、「栞」にしているのです。特に細かい端切れは、パッチワークにして楽しんでいます。お婆さんに「これ、私のお手製なんですよ。」と説明すると、お婆さんは、まぁ、「そんな、お若い方が、まだ居たのね。最近は、お話かけても、そっぽを向いてしまう人もいるくらいなのよ。」と、行ってしまいました。それから数週間後の、ある日の午後、同じようにオープンテラスのあるカフェで、紅茶を飲みながら読書をしていると、「まぁ、今日は居たのね。」とお婆さんが、仔犬とともにやってきました。「今日は、私も頂くわ。」と、隣のテーブルの席に座りました。「お前は、お座りよ。」と仔犬に声を掛けます。「お名前は何と言うのですか?」と言う私の質問に、仔犬が反応して、「ワンワン」と吠えるので、「こら、マダムっ!だめだめ、お座りっ。」と、お婆さんが叱ったので、仔犬の名は、マダムと分かりました。「マダムっ、よろしくねっ。」と声を掛けると、カフェの店員さんが、お婆さんのオーダーを聞きに、お婆さんのテーブルまで来ました。「何かね・・・、炭酸を飲みたいんだけど・・・、温かい炭酸のメニューはどこかしら・・・?」と、真剣に言うので、私は噴き出してしまいました。お婆さんも、「わがままでしょ?」と、笑いながら、「この、お茶を下さい。」と、何かのハーブティーを注文しました。店員が行ってしまうと、「こんにちは、お久しぶりね。あなたを待っていたのよ。栞ちゃんよね?」と、明るく話し掛けてくれたので、私もうれしくなって、「ハイ。私も、お婆さんに会えるのを楽しみに来ました。」と、予想外の返答をしてしまいました。「実はね、受け取って欲しいものがあるの。」と、お婆さんが、小さな箱をテーブルの上に置きました。箱を開けると、外国の切手がたくさん入っています。「これね、妹が集めていたものなんだけど、去年亡くなってから、処分に困っていたの。キレイでしょ?あなたなら、良くしてくれると思って。どう?」と、私に手渡すので、「キレイな切手ばかり、本当に良いのですか?」と聞くと、「お婆さんは、私が持っていても、小箱の肥やしでしょ?こんなに素敵な、栞を作れる方なら適任よ。お願いします。」と、お婆さんは、テーブルに運ばれてきたハーブティーをすすりました。思わず出逢いです。私の包装紙コレクションの端切れで、手造りした栞を気に入った、お婆さまが数週間後、同じカフェに素敵な外国の切手コレクションを届けてくれました。「実はね、妹は、包装をする為のラッピング素材を集めるのが趣味で、お家にたくさんの包装紙や梱包材のコレクションがあるの。今度、見に来て頂けないかしら?あなたに、是非、譲りたいと思うの。」私は、お婆さんの思いがけない申し出に、お礼を告げ、連絡先の電話番号を交換しました。お婆さんと初対面の日に、「こんなお若い方が、居たのね。」と声を掛けてくれたのには、包装紙や切手に思いを寄せる人々包装紙や切手が、暮らしから、少し遠のいていることを表わしているのかなと思いました。

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